中型バイク試乗記:その1【Kawasaki Ninja250R & Honda VTR250 比較】新型CBR250Rが出る前に。

突然ですがもうすぐ、新型CBR250Rが発売されるそうですね。

本田技研公式HP
http://www.honda.co.jp/news/2010/2101027.html
日経トレンディ
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20101028/1033472/?ttr


タイホンダ製、250cc、フルカウル。いやぁ乗ってみたいですね。
 
エンジンが単気筒というのは少し驚きました。私はてっきりVTRの2気筒エンジンを積むのかと思っていたのですが、予想が外れました。世間では「スポーツバイクで単気筒はねーだろ」って声も聞かれるみたいですが、YAMAHAのWR250R/Xのみたく、単気筒でも水冷で超スポーティなエンジンもありますから、乗ってみるまではなんとも言えないんじゃないかと思います。どんな乗り味になるんだろう。



しかし、250ccというのは本当に気軽に乗れますし、車検もなく、軽快で日本の道にはぴったりの良い排気量だと思います。
 
そこで、現在250ccクラスでの売れ筋バイク2台。よく比較されるこの2台ですが、少し前、両方とも試乗することができましたのでその時の試乗記を書いてみようと思います。



Kasawaki Ninja250R

水冷4st 並列2気筒 DOHC4バルブ 250cc

最高出力 31 PS

カワサキモータース Ninja250R 公式サイト
http://www.kawasaki-motors.com/model/ninja250r/



Honda VTR250

水冷4st V型2気筒 DOHC4バルブ 250cc

最高出力 30 PS

本田技研工業 VTR250 公式サイト
http://www.honda.co.jp/VTR/







2台共に250cc、2気筒。

良く雑誌なんかでも比較されてますが、現役で国内販売されてる中では唯二と言っても良いクォータースポーツバイクの両雄です。

どちらも良し悪しあって、なかなか甲乙付けがたいのですが、項目別に比較してみました。




■エンジンについて
Ninja:高回転型。停止時は耕運機サウンドと思いきや、高回転だとマルチみたいな音になる。ドコドコドコ・・ギュルルルワァーン!って感じ。回すとNinjaの方が面白いと思った。
VTR:低速トルク型。なめらか。下から上までドゥルルルルルーーーとフラットに回る。街中での使いやすさでは一歩リードしてる感。


■ポジションについて
Ninja:セパハンなのでキツいポジションを覚悟してたら、案外前傾にならず普通の体勢で疲れない。伏せると風をきっちり防いでくれる。ただ、183cmの私には膝がタンクに当たって少し窮屈。ステップ位置もう少し後ろの方が余裕があっても良いかも。
VTR:バーハンで、お手本のように自然なポジション。ボディはスリムで、私の図体でも膝まわりに窮屈さを感じさせなかった。この点はさすが万人にお勧め出来るホンダ車。お見事。


コーナリングについて
Ninja:街乗りレベルではVTRに比べるとカウルがある分重さを感じるが、「比較すれば」の話。基本重さで困ることは無いです。比較的スピードの高いコーナーではVTRより安定してるかも。
VTR:信号右左折、超イージー。街中では軽量ボディでコケる心配を全くせずに済んだ。サスは柔らかめ。


■車体の作りについて。
Ninja:見た目が少しプラスチックなかんじ。スピード出すと風圧でカウルがビビる感じがする。(個体差?)ブラックのメーターは光るとカッコいい。タンデムはシート形状的にキツい。6速ミッションはカワサキ車的にガツンと入ります。
VTR:メーター周りのメッキなどのクオリティは流石のホンダ車。シートはもっちりでタンデムするならVTR一択。ただしミッションが5速なのはどうなの?(人によってはこれで充分事足りるという人も。)




◎Ninja総評

忍者、本当に売れてるんですねぇ。大阪にいる時は町中でも良くみかけました。これが売れなければ、ホンダもCBR250Rを出さなかったのかもしれません。

しかも、フルカウルってオーナーの男性率が圧倒的に多い車種なんですが、このninjaに関しては女性が乗ってる割合が結構高いように思います。女性ライダーが乗ってる車種というと、エストレヤやW400のようなクラシック系、ハーレーのようなアメリカン系が多いと思います。ドゥカティ(主にモンスター)に乗ってる人もたまに見かけますね。しかし、私はこれまで道端でNinjaに乗ってる女性ライダーを数回見かけました。フルカウルに跨がる女性、アグレッシヴでカッコいいなと思います。車体はポップな色合いですし、Ninja250rのデザインコンセプトはアメリカあたりのスクールガールが乗ってても似合う雰囲気らしいですので、違和感なく乗れるのではないでしょうか。

SS的見た目を裏切って良い意味で普通のバイク。意外とアップライトで楽なポジション。軽快なサウンドのパラツインエンジン、カウル付きでツーリングも楽ちん、しかもタンク容量がデカイので航続距離が抜群に良い(満タンで高速500kmくらい行くらしい。)、女性でも乗りこなすのに苦労しない、となれば売れないわけありません。









◎VTR総評
VT系エンジンにハズレなしとは言ったものです。

こちらも良く町で見かけますが、Ninjaと違ってどっちかというと平日のビジネス街見かける機会が多い様に思います。街で走ってるバイク便を見るとあれもこれもVTR・・・全体の半分くらいVTRなんじゃね?というくらいVTRが多い様に思います。他に見かけるのはスパーダにゼルビス・・・←こいつらもVT系です。VT系エンジンはとにかく耐久性がハンパない。聞いた話ではきちんとメンテさえすれば20万kmは走るらしいです。スゲーな。

このVTR、とにかく乗ってる人間にプレッシャーを与えません。タンク形状を工夫してるのか立ちゴケしてもほとんど傷が付かないそうで、リッターオーバーのバイクのようにガレージから引っ張り出すだけで疲れたとか・・・Uターンの時にコケないかおどおどしながら操作するとか・・・。そういう感覚はこのバイクにはありません。そして滅多なことでは壊れません。日本でも屈指の道具として使い倒せるバイクと言って良いでしょう。
 
ただ、バイクは趣味ですので、趣味のツールとして見た場合、Ninjaの方が趣味性の高さという点では勝っている様に思います。道具として優秀なことに徹するVTRと、未完成な部分がありながらも楽しさを感じられるNinja。どちらを優先するかが非常に悩むところです。黒子に徹する凄さというのはある意味ホンダバイクの真髄とも言えるのでしょうが。とにかく、どこまで走っても壊れない相棒が欲しい!という人であれば非常にオススメです。

価格的には格安のNinjaと比べられると苦しいかも。まぁそのへんは後輩のCBR250Rにまかせましょう。







Ninja、VTRなどのクオーターツインに共通してる利点として、高速にも充分乗れるスピード、良い燃費、車検も無い、マルチに比べて維持費かからない、という様な点があります。特にNinjaの航続性の良さや、VTRのメンテフリーさ、これらは特筆に値するもので、このクラスは日本の道に最も適したバイクなのかもしれません。
それでいて、性格がやはり微妙に違います。個人的にはツーリングや峠で遊ぶ用ならNinja、街乗りやジムカーナに使うならVTRって感じだと思います。ここに新型のCBR250Rが加わることで、さらに選択肢が増えるわけで、非常に250ccクラスが活気づいてくるのではないかと思います。










 
おまけ:CBRが単気筒で出るなら、YAMAHAもWR250のエンジンでカウルつきのスポーツバイク作ってくれないかなぁと。